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地下1階の歩道橋


   (寫眞をクリックすると拡大します。)

前回の地下道を反対向きに見たのが、この寫眞。

両側の壁に嵌め込まれた透明なプラスチック板を通して、壁の外側の様子を窺う。
自分が立っているこの地下道の真下を、次々に車が通り過ぎていく。

ここは、地上の道路の下をくぐる「地下1階の横断歩道」だとばかり思っていたが、地下2階の高速道路の上を跨ぐ「地下1階の歩道橋」でもあるらしい。

絶え間なくトンネル内に反響する、車の排気音。
整然とした動きを止めることのない、ヘッドライトやテールランプの流列。
皮膚にメスを入れるように、少し地面を切り開いて地中をのぞくと、トンネルという血管の中を、車という血液が滔々と流れているさまが垣間見えてくる。

地下1階ではワンダーランドを発見した。
地下2階には血液が流れていた。
立て続けに目の前に現れた地下の別世界。
何げない地下道がその入口になっていたことを知った時、誰かに欺かれているように感じたことを、いまだに忘れることができない。

BGM ・・・ 聖地エルサレム (エマーソン・レイク・アンド・パーマー)





1979年に制作されたこのアルバムのジャケット写真は、この地下道で撮影されたものである。
彼らが、どのような意図を持って、この場所でジャケット写真を撮ることにしたのか、勿論はっきりとは分からないが、何となく分かる気もする。

彼らはその後、マライアというバンドを結成した。
マライアの活動期間は数年に過ぎなかったが、彼らの才能が生み出した音楽は、常に刺激に満ちていた。
ウォークマンでマライアのアルバムを聴きながら、冬の京都・岩屋不動の雪道を歩いたことは、忘れがたい体験となった。
今世紀に入ると、マライアの元メンバーの弟に当たる人と知り合いになる機会にも恵まれた。
マライアが残した5枚のアルバムは、今でもときどき聴いている。

彼らにとってこの地下道は、どのような記憶と結び付いているのだろうか。
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Wonderland


   (寫眞をクリックすると拡大します。)

こちら側の階段をおりて、地下の横断歩道を通り、向こう側の階段をのぼって地上に戻る・・・・・つもりだったのだが。
階段をおりてみると、地下道の先は、そのまま地続きになって、外の世界に通じていた。

地下に広がる別世界。
ここは、アリスの世界への入口。
このまま、ワンダーランドに足を踏み入れたら、地上に戻ることができなくなりはしないか?

初めてこの場所に立ったのは、1976年の夏。
引退を表明した歌手の、さよならコンサートの日だった。
コンサート会場に向かって歩いているうちに、どういうわけか、こんな地下道に迷い込んでしまった。

後でわかったことだが、その歌手が引退を決意したのは、彼女にとっては異国の日本というワンダーランドから脱出するためだった。
彼女がワンダーランドから出ていく日に、ワンダーランドへの入口を見つけることになろうとは・・・・・。

この日の夜のコンサート会場で、初めてその歌手の姿を間近に見た。
しかし実はすでにその数時間前、この地下道の中で、ワンダーランドから出て行く彼女と擦れ違っていたのだった。
そして、コンサートが始まった時にはもう、彼女はどこか遠く離れたところに旅立ったあとだったのだ。

BGM ・・・ Without You (ハリー・ニルソン)

意地悪な電気仕掛け


   (寫眞をクリックすると拡大します。)

かつて、「ミスト」というゲームにのめり込んだことがある。

ゲームは、無人島にポンと放り出されるところから始まる。
最初は、何をどうしたら良いのか全くわからないまま、とりあえず行ける所を歩き回り、目についたものを手で触ってみる。
そうするうちに段々、島内に配置されている奇妙な機械の動かし方を解明し、動力源を起動させて機械を動かすことが求められているのだ、とわかってくる。

そのためには、機械や動力源に仕掛けられている巧妙なトリックを見破らねばならない。
ヒントを見つけてトリックを解き、機械を動かすことに成功すると、ゲームストーリーが大きく進行していく。
その瞬間に味わうゾクゾク感が、何ともたまらないゲームだった。

不思議な形状を持つ灯台の中には、奇妙な機械が据え付けられている・・・・・。
灯台に電力を供給するには、電源や電線・電柱に仕掛けられた意地悪なトリックを解かねばならない・・・・・。
トリックを解いて、機械のスイッチを入れると、機械は予期せぬ動作を開始する・・・・・。

初めてこの光景に接したとき、ゲームの中にしかなかったはずのミストの世界が、そのまま、自分の目の前で再現されているということに、衝撃を受けた。
そのとき体験した感覚は、恐怖に近いものだった。

BGM ・・・ 春の祭典 第2部 (ストラヴィンスキー)

同居する異次元


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レゴでミニチュアが作れそうな3次元の焼却場。
抽象画の構成を思わせる2次元の壁面。
空に向かって垂直なベクトルを突き出す1次元の煙突。
そして、時間の経過とともに姿を変える雲は、4次元の背景。

立体(3次元)を2つに切ると、切り口は平面(2次元)になり、
平面を2つに切ると、切り口は線(1次元)に、
線を2つに切ると、切り口は点(0次元)になる。
だから、4次元の世界を2つに切ると、切り口は3次元の立体になるはずだ。
3次元の世界に住んでいる我々は、4次元の世界の切り口に住んでいるとも言えるのだ。
そんな話をブルーバックスで読んだ記憶がある。

色んな次元の切り口が同時に顔を出しているような、この光景。
ある次元から別の次元へと自由に行き来できる、特異なターミナルのようにも感じられる。

BGM ・・・ ようこそマシーンへ (ピンク・フロイド)

稠密な金属音


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見えたのは、線材と鋼材とパイプとレールと橋梁。
視界を隙間なく埋め尽くす金属。

聞こえたのは、チェンバロの金属性の音色。
楽譜を隙間なく埋め尽くす音符。

稠密な風景が稠密な音を奏でる。

BGM ・・・ 幻想曲 ハ短調 BWV906 (J.S.バッハ)

海底舗道


   (寫眞をクリックすると拡大します。)

海底に横たわる、一筋の舗道。
深海魚すらも、ここを訪れることは滅多にない。
たまに、どこにも行くところのない人が、道に迷ってここにたどり着く。

遮断機を越えて進むと、どこに行けるのか。
思い切って越えて行った人は皆、二度と帰って来ない。
青い光で舗道を照らしているのは、そういう人を引き止めるため、とのことである。

BGM ・・・ 水郷の街 (島邦明)
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