1号館北面


   (寫眞をクリックすると拡大します。)

2011年4月、早朝。
撮影を一旦中断する。
時間をかけて朝食をとり、聴いたことのないアルバムを聴く。

世の中が動き始める頃合いを見計らって腰を上げ、向かいのビルの管理人さんを訪ねる。
事情を話して屋上の鍵を開けて貰い、社宅敷地の全景を見渡しつつシャッターを切る。
2・3・4号館は土台を残して既に瓦礫と化し、1号館も取壊しが始まっているのがわかる。
社宅の姿を収めることが出来るのは、おそらく今日が最後だ。

近所の人に聞いてみると、まだ跡地の用途は決まっていないらしい。
それでも早々に取り壊すことになった背景には、地震の影響があったようだ。
一見何の損傷もないように見えた建物には、よく見ると亀裂が入っていたらしく、放置すると危ないと判断されたとのことだった。
赤坂の乃木神社の一の鳥居も、亀裂が入り一時撤去されている。
震源から離れた東京においても、あまり目立たないが被害は出ているのだ。

取壊しを決めた会社には、何の不満もない。
むしろ、社宅閉鎖から2年間も取り壊さずにいてくれたことや、かつての住人であるという理由だけで立入禁止の敷地内に快く立ち入らせてくれたことを思うと、感謝は尽きない。
自分にとって本当に何物にも代えがたい時間を与えて頂いたと思う。

もはや社宅を実地に訪れることはかなわなくなったが、撮り貯めた寫眞は結構な枚数にのぼる。
いずれ、そういう2次元の寫眞から3次元映像を簡単に組み立てることができる技術が開発されるに違いないと睨んでいる。
その時が来たら、出来るだけ精密な3Dの社宅を再現し、心行くまでヴァーチャル・ツアーを楽しみたい。

BGM ・・・ この街 (森高千里)
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